自己分析を志望職種に活かす

就職のルールが来季も3月説明会解禁、6月選考開始になることが決まった。2年前と比べヤマ場が6月になったことで、就活生にとっては企業研究などの就職活動の時間が短くなった。選考が始まれば短期決戦、じっくり考える余裕などなくなるので、ヤマ場前にどれだけ、準備しておくかが就職活動の成否を決めるポイントだ。本番が始まるまでに絶対、やっておいて欲しいことが、自己分析だ。「自分が何に向いているのか」、「どんな仕事をやってみたいのか」、会社との関係において自分という存在を洞察することがこの時期、重要だ。

就職戦線がスタートすれば、説明会、エントリーシート、面接とあらゆる段階で志望動機を聞かれることになるだろう。志望動機の話し方、書き方ひとつで合否が左右されるといっても過言ではない。志望動機を考える上で、ベースになるのが自己分析だ。ところが学生にとって、自己分析がしっかりできている人は少ないようだ。20年前後の人生の中で自分が何に向いているのかを見極めることは難しいのかもしれない。特に就職活動では企業との関係の中で自分を見出さなくてはならないからなおさらだ。

私自身、かつての就職活動を思い起こすと、決して自己分析ができていたとはいい難い。縁あってマイナビ(当時は毎日コミュニケーションズ)に入社し、以来、東京、名古屋、大阪で営業職として勤めたが、就職活動時は編集希望、営業などまったくやる気は無かった。大学は文学部、哲学科の出身である。就職するなら文章を書く仕事しかないと決めていた。自らが書いた文章を多くの人に読んでもらい、影響を与えることができるならどんなにすばらしいだろう、と生意気にも思っていた。

ところが入社して配属された部署は、営業課。新規企業開拓のアポとりが中心で編集の仕事とは程遠い状態だった。しかし、企業訪問を繰り返し、採用のノウハウや採用広報のあり方などを話しているうちにいつの間にか営業にはまってしまった。結局、マイナビ在職中はずっと営業だったので、今から思えば営業職が自分にはあっていたのであろう。私を面接してくれた、当時の大阪支社長や社長の方が、私をよく見ていたということだ。

自己分析とは文字通り自分で自分のことを分析することである。しかし、大学3回生にとって自分を見抜くにはやや経験が不足しているのかも知れない。やはり親や友人、先輩などの他人の目で自分を見てもらい意見を聞くことも必要である。 他人という鏡に映った自分の姿をみて、改めて気づくことも多い筈だ。


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